実に哲学的な存在の魚だと思った
三次元の水中を、二次元で生きてる風変わりな魚だ
ある日コイツ「断固オレは歩く」と決意した……のだ
鼻先の竿をフリフリして小魚を寄せてパクッ
どう生きるかは、自分で勝手に決めれば良いのだと

こういう魚の場合はコツコツと、時間をかけて
描かねばならぬと、なんとなく思った
ヤツは鼻先でフリフリし、オレは色鉛筆でコツコツ
フリフリ、コツコツ、フリフリ、コツコツってね
なかなか哲学的な関係じゃないか
釣りにのめり込む釣師の後ろ姿には
その人の本質が、血脈が、個性が見える
狩猟本能がそれらを導き出すらしく
社会的地位も、権威も、肩書きも消え
「素」の自分がそこに表出してくるとか
どうです心当たりがありゃしませんか
babyの心そのままだってサ……!
この海にも実に派手な魚がいる
南の海から迷い込み居着いたものか
まぁね、グローバリゼーションの時代だし
地味に暮らしている地魚の反感を買わぬかと
でも、ここは横浜だし、歴史があるし
金髪でも赤毛でも水玉でも横縞でも、なんでもいいジャン
やっぱ「運」ってあるじゃない
そういう巡り合わせなんだと納得するが
巡り合うヤツと、巡り合わぬヤツ
これが片寄ってる所が、どうも納得できぬ
例えば、ビギナーズラックね
不思議と女子に大きな魚が掛かる……ワカラン
アッチを見て、コッチを見て
さらに、ムコウも見て、その交点
確かに、この場所である
30年ほど前、船から大メバルを釣り
勢い余り海中にメガネを落としたのだ
あのとき、確かにここは海だった
今は陸地のそこから、山立ててみた