遊ぶ 創る 思う
川のせせらぎ、砂浜に寄せる波の音、潮の香り、水面を渡る風、波紋の美しさとそこに映る自然や生活の風景。「水辺」 は人の心に潤いを与えて癒し、なつかしい気持ちにさせてくれる。
生命の根源である母なる海は、生を育むと同時に多くの命を飲み込む自然の脅威であり、海や川や湖の水辺には、貝や魚や水鳥などさまざまな生命が息づく。ここは人にとって、漁業の場であり、海水浴や潮干狩りや釣りなど行楽の場でもあった。
そして、人は目に見える水中の現実だけでなく、 怪物や人魚、さらに神々の世界をも創出し、此岸と彼岸、そこを流れる水に生と死の境界を思い描いた。幻想世界に誘われるまま、想いを象徴し、水が与えるインスピレーショ ンから、人は多種多様なイメージを創造してきた。
● 画狂人 葛飾北斎が描いた「水辺」のイメージ。
右)肉筆画「潮干狩り」図の部分。(財団法人 北斎館)
 磯の香りが漂う海辺で潮干狩りを楽しむ人々のいきい きとした様子に、今も昔も変わらぬ人の暮らしを思う。
左)祭り屋台の天井絵「男波」図。(財団法人 北斎館)
 動体視力に優れた観察眼から生まれた波頭のイメージ。